初心者レベルから抜け出すために読むべし!『世界一わかりやすいデジタル一眼レフカメラと写真の教科書』
一眼レフカメラを買って一通り使い方は覚えた。けど、絞りやシャッタースピード、露出、ISO感度はこういう場面の時はどうに設定すればいいんだろ?どんな構図にすればプロのような写真が撮れるんだろ?
そんな疑問を解決するために『世界一わかりやすいデジタル一眼レフカメラと写真の教科書』を購入してみました。
本書はプロカメラマンである中井精也氏が人より一歩進んだ写真の撮り方を解説するステップアップ本です。ゼロからスタートする超初心者向けではなく、「もっとイメージ通りに撮りたい」という方や「ありきたりではない写真を撮りたい」という方向けと紹介されています。
[目次]
- 1時間目:何をどう撮るかをマスターする
- 2時間目:被写体に強くなるカメラ設定
- 3時間目:光の読み方をマスターする
- 4時間目:秘伝!3つの武器を使いこなす
- 5時間目:どう撮るか?必殺技25
本書はKindle版だと899円(※2013年6月時点)と安いですが、通常版(紙)だとDVDがついています。私はDVDも見たかったので通常版を購入しました。
書評
『漫然と写真と撮っている初心者レベルから抜け出すための参考書』という感じで、とても満足できる本でした。私の場合、は旅行で壮大な景色、古めかしい建物、神秘的な遺跡などに出会い、いざ写真を撮ってみてもコンデジよりは綺麗に撮れているけど何だかパッとしないなー、という気持ちがありました。
この本では基礎の知識や技術が解説されつつ、中井氏独自のテクニックも紹介されていて、私のような初心者の悩みを解消してくれる写真スキルを上げるノウハウが惜しげなく詰まっています。プロである中井氏が撮った写真を例に解説されているのでとても説得力があり、自分でも真似すれば上手く撮れそうとモチベーションが湧いてきます。
何を、どう撮るか?
この『何を、どう撮るか?』というキーワードに基づいて徹底的に解説されています。私の場合は『何を』撮るかは決まっていても『どう撮るか』は”ありのままに撮る”以外の考えはありませんでした。自分で伝えたいことを表現するには撮りたいモノを優しい感じで撮ったり、シャープに撮ったりと実際に自分の目で写っている映像と違っていても良いと語られています。
iPhoneのアプリなどにはある様々なカラーフィルターを使った写真加工アプリがありますが、正直、邪道だと思っていました。ですが、この本で中井氏に使っていいんだよと背中を押されたことで考えが180度変わりました。
日の丸構造がダメな理由
写真に興味を持つまで聞いた事の無かった「日の丸構造」。一眼レフのカメラ本や参考サイトには必ずと言っていいほど"日の丸構造はダメ!!"と書かれていますが、ダメな理由がよく分からず、日の丸構造で撮った写真を見返してもピンときていませんでした。
「日の丸構造」の欠点は、被写体が真ん中にあることではなく、そのことにより必要な部分が切れたり、余計なモノまで写りこむことなのです。
引用元 P.22
なるほど。被写体を真ん中にして全部入れようとして、電柱や通行人など余計なモノが入りがち。初心者がなぜ?と思うようなことも丁寧に解説されていて良いです。
主題の中にも主題がある
3分割法という構図を学んで実践してみようと思ってもなんだかうまくいかない。人の顔を3分割した点に置く場合は顔の真ん中を置けばいいの?二つのモノを写したい時はどうする?
電車や人のように細長い被写体では、主題のなかでも重要な部分を見い出し、そこをポイントにします。電車なら先頭部、富士山なら頂上、モデルならカメラに近いほうの目がそれにあたります。
引用元 P.27
撮りたいモノの中でも一番重要、一番撮りたい部分に見つけて配置する。これはすぐに実践できそうなコツです。
また、中井氏は独自のレイルマン比率を用いていて、その対角線上に主題と次に見せたい副題を配置すればバランスが良いと解説しています。これもすぐに使えそうです。
逆光・半逆光はラッキーライト
昔から逆光は撮影に適さないと敬遠されてきましたが、そんなことはありません。コントロールする方法を覚えれば、多彩な表現が可能なラッキーライトなのです。
引用元 P.74
コンデジを使っていた頃から「あー、やっぱりコンデジじゃ逆光はきついな。一眼レフで綺麗に撮りたいなー」なんて思ってました。今覚えばうまく撮れないのは自分の知識不足とスキルの無さのためである事も分かっていなかったようです。多分、この本を読まなかったらずっと逆光を避け続けたと思います。
明暗差(露出差)が生まれる逆光のほうが撮り手の意思が伝わる写真を撮りやすい。自分がどのような感じに撮りたいかに応じて、シャドウ基準でハイキーにしたり、逆にハイライト基準でローキーにする。非常にためになります。
ホワイトバランスをカラーフィルターがわり
これもこの本で初めて知ったワザ。その場面での色を忠実に表現するためにホワイトバランスを使うのではなく、暖かい雰囲気を演出したり、クールな印象を出すために画面をセピア色にしたり、青色っぽくしたりとカラーフィルターがわりにする。プロも使っていると言われると自分もやってみたくなります。
まとめ
中井氏自らが言っている通り、個性的な撮影方法を解説している本です。”ちゃんとした”撮影スキルにこだわる人には向いていないかもしれません。私は解説に使われている写真が素晴らしいと感じ、こんな写真を撮りたいと思えたのでこの『世界一わかりやすいデジタル一眼レフカメラと写真の教科書』を熟読したいと思いました。プロのような写真を撮りたい、人とは違った写真を撮りたいと思っている方にオススメです。
おまけ
この本の続編が2つ発売されています。もっとスキルアップしたいという方はどうぞ。私は中井精也さんの写真に魅了されたので2つとも購入済みです。
中井精也さんのブログはこちら。娘さんが撮った写真も載っていたりするのですが、上手過ぎて自信がなくなるので注意(笑)
1日1鉄! 鉄道写真家・中井精也ブログ
では、またです!
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